イノシシ対策の決定版|侵入の8割は「下」から起きる正しい防除法

一度の施工で「安心」を取り戻す

イノシシ対策の鉄則:
「高い柵」より「下の隙間」を埋めよ

イノシシは想像以上に賢く、そして鼻先の力が強力です。50kg以上の石すら軽々と押し上げます。
失敗する多くの原因は、柵の「高さ」に気を取られ、足元の「隙間」を許してしまうこと。
現場経験に基づいた、イノシシの習性を逆手に取った「本当に効く対策」をステップ別に解説します。

結論:イノシシ対策はこの3ルートから選ぶ

イノシシを止める方法は、大きく分けて3つです。 「予算」「現場に行ける頻度」「今の被害状況」に合わせて、無理のないルートを選びましょう。

ルートA:電気柵
(心理障壁)

鼻先に強力な電気ショックを与え「ここは怖い」と記憶させます。コストが安く、広範囲の防除に向きますが、草刈りなどの定期管理が必須です。

ルートB:物理フェンス
(物理障壁)

頑丈な金網で物理的に通せんぼします。初期コストはかかりますが、一度正しく設置すれば「放置」に強く、管理の手間が劇的に減ります。

ルートC:ハイブリッド併用
(最強の防御)

フェンスで物理的に止め、さらに外側に電気柵を張ります。すでに餌場として学習した個体や、絶対に被害を出せない施設などに最適です。

👉 「どれがいいか分からない」方へ
毎日畑を見に行けるなら電気柵、平日は忙しくて管理できないならフェンスが勝ち筋です。

侵入の8割は「下」から!鼻先を入れさせない極意

イノシシがフェンスの下を掘って侵入しようとする様子

イノシシはジャンプして柵を越えることは稀です。彼らはまず「鼻先」を柵の下に突っ込み、隙間をこじ開けます。 わずか10cm〜15cmの隙間があれば、巨体でも無理やり潜り抜けてしまいます。

フェンス・電気柵どちらにも使える「下の補強材」という選択肢

イノシシ対策で最後まで残る課題が、「あと数センチの隙間」です。
フェンスの裾、電気柵の下、地面の凹凸や水路の際── こうした場所は、どれだけ柵本体を強化しても突破されやすい弱点になります。

👉 現場では「柵+補助資材」で塞ぐのが一般的です。
大がかりなコンクリート施工をせず、
「掘らせない・鼻先を入れさせない」ための現実的な方法として使われています。

掘り返し・めくりを防ぐシート系補強材

フェンスの下を掘られる、電気柵の下をくぐられる── こうしたケースでは、地面そのものを「掘れない状態」にすることが有効です。

モグラ・小動物対策用として販売されている高耐久シート(モグレーヌなど)は、 イノシシ対策の現場でも「補助的な資材」として使われています。

フェンスと併用する場合

金網フェンスの外側(または内側)に敷き、 石やアンカーピンで固定します。
掘ろうとすると鼻先に当たって掘れないため、 「ここは無理だ」と学習させる効果があります。

電気柵と併用する場合

電気柵の一番下の線の内側に敷くことで、 「電気+掘れない地面」の二重対策になります。
特に水路・畦・柔らかい土がある場所で有効です。

向いているケース

・部分的に何度も掘られる
・全面フェンスは予算的に厳しい
・学校・住宅地で景観を保ちたい
こうした場所の弱点補強に向いています。

すべてをこの資材だけで止める、というよりも、
「柵の弱点を埋めるための一手」として使うのが正解です。

▶ 補助資材の具体例: モグレーヌ(掘り返し防止シート)

※ あくまでフェンス・電気柵の「補助」として使う資材です。
侵入口を観察し、「ここだけ止めたい」という場所に使うことで、 コストと効果のバランスが取りやすくなります。
弱点ポイント イノシシの動き プロが教える最強の対策
柵の下の隙間 鼻先を入れて持ち上げる 金網を地面に30cmほど寝かせて固定(L字施工)
地面の凹凸 窪んだ場所を狙って掘る 凹んだ場所に石を詰めるか、裾網を追加する
柵の角(コーナー) 一番力がかかる場所を押し倒す 支柱に「控え(斜め柱)」を入れて強度を2倍にする
電気柵の電圧不足 痛みを感じないと知ると突進する 地面から20cmの高さに線を張り、鼻先に当てる

あなたに向いているのはどっち?最短診断

迷っている方は、以下のチェックリストで「はい」が多い方を選んでください。

電気柵がおすすめな人

  • 週に数回は草刈りや点検ができる
  • とにかく初期費用を抑えたい
  • 守りたい範囲が非常に広い(数kmなど)
  • 冬の間だけ撤去して片付けたい

電気柵の正しい選び方

フェンスがおすすめな人

  • 設置後はできるだけ放置したい
  • 管理のために頻繁に現場へ行けない
  • 学校や自宅など、景観や安全を重視する
  • 10年以上使える恒久的な対策にしたい

フェンスの種類と施工のコツ

現場でよく見る「失敗の典型例」と解決策

せっかくお金と時間をかけても、1箇所のミスで全てが無駄になります。以下の3点は特に注意してください。

① 電気柵の「漏電」を放置している

伸びた草が柵の線に触れると、そこから電気が逃げて電圧が下がります。 改善:地面から一番下の線の間は、除草剤をまくか防草シートを敷くのが最も賢い方法です。

② フェンスの下に「遊び」がある

金網の下側をパタパタ動く状態にしていませんか? 改善:アンカーピンや重い石で、金網の裾を地面に「これでもか」と密着させてください。鼻先が入らなければ彼らは諦めます。

③ 誘引物を放置している

柵のすぐ内側に「クズ野菜」や「落ちた果実」を捨てていませんか? 改善:柵の外だけでなく、内側の「ご馳走」を無くすことが、柵への執着心を減らす第一歩です。

イノシシ対策のよくある質問

Q. イノシシは柵を跳び越えますか?

基本的には跳びません。1メートル程度の高さがあれば物理的には十分です。ただし、柵の下が掘れなかったり、興奮状態にある場合は跳び越える事例もあります。シカ対策と兼ねるなら1.5メートル〜2メートルが推奨です。

Q. 市販のアニマルネット(網)だけで止まりますか?

ネット単体では、イノシシの力で簡単にめくられたり、鋭い牙で噛み切られたりすることが多いです。ネットを使う場合でも、必ずワイヤーメッシュや金網と組み合わせて「下を固定」してください。

Q. 電気柵は人間が触れると危ないですか?

獣害用の電気柵は「静電気の強力版」のようなパルス状の電気が流れます。触れると激痛が走りますが、法律で定められた安全基準(電気さく用電源装置)をクリアしたものであれば、健康な大人が触れて命に関わることはありません。ただし、お子様やペットが触れないよう注意が必要です。

まとめ:イノシシ対策は「敵を知る」ことから

イノシシ対策の成功率は、「いかにイノシシの鼻先を嫌がらせるか(あるいは物理的に封鎖するか)」で決まります。 まずは現場を歩き、彼らがどこから入りたがっているのか、隙間はないかをチェックしてみましょう。

イノシシだけでなく、シカ被害も発生していませんか?

イノシシ対策ができていても、シカは「跳躍」と「視覚」を使って侵入します。 特に1.5m前後の柵は、シカにとってはほとんど障害になりません。

シカ対策の正しいフェンス高さ・電気柵段数はこちら

次に読むと理解が一気に深まります

判断

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維持管理

漏電・裾の浮き・ゲートの油断…突破の予兆を見逃さない。

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イノシシ対策チェックリスト|現場点検・保存版

「高さ」より足元の隙間で突破されます。設置後に必ず確認したい 7つの弱点を、1枚で見える化しました。

  • 柵の下の隙間(10〜15cm)
  • 凹凸・水路・段差の入口
  • 角(コーナー)補強/出入口の閉じ方
  • 誘引物(落果・クズ野菜)/踏み台
  • (電気柵)漏電・草接触・電圧低下
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※印刷して現場で使えます(雨天時はクリアファイル推奨) ※内容は現場条件で最適解が変わります。まずは「弱点潰し」から。
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